おもちゃの修理で あると便利な道具

 私たちのおもちゃクリニックでは,ドクター達が手持ちの材料や道具類を駆使して,皆さんからお預かりしたおもちゃの治療に当たっています。このコーナーでは、その中からいくつかを紹介します。


3、熱収縮チューブの紹介

 おもちゃ故障の原因の中で大きな割合を占めるのが断線です。
 断線箇所をハンダ付けして直しますが、その後に電流がショートしないように絶縁処理が必要です。

 今回は,熱を加えると収縮して、リード線のハンダ付けした所をカバーし,完璧に絶縁するポリエチレンチューブを紹介します。

 以前は,絶縁にビニールテープを用いましたが,最近では熱を加えると縮んで、ハンダ付けしたところを絶縁できる便利なチューブがあります。

 いろいろな太さの熱収縮チューブが売られています。色も黒と透明が一般的ですが、100均には黄色、赤、青などのカラフルなチューブも売られていました。

 絶縁したい部分をカバーできる長さに切って、ハンダ付けする前にビニール線にとおします。その後,断線箇所をハンダ付けします。

 ハンダ付けをした後、絶縁したい箇所まで熱収縮チューブをずらして、カバーします。後は、ドライヤー、半田ごてなどで熱を加えると,チューブが収縮密着し、絶縁が完了です。

 ハンダ付けした箇所をカバーしている様子が分かりますか?弾力があり耐久性も十分です。

 私たちは,断線箇所はもちろん、プラスチック部品の接着箇所の補強などにも使っています。



2,つぶれたネジ山の対処

 おもちゃを治療していると、つぶれたネジ山に出会うことがあります。これはネジの頭の溝に合わないドライバーで回そうとしたり、食い込んでいるネジを無理矢理回そうとして,溝を潰してしまうことで「なめてしまった」といいます。

 私たちドクター仲間では、輪ゴムを使ったり、衝撃を与えたりいろいろな方法で工夫していますが、こんな時役に立つ(だろう?)ネジはずしサポート・摩擦の増強液を100均で売っていました。

以前購入したときは500円ぐらいしたのに,100均で買える!嬉しいです。日曜大工でも使えるし・・・

念には念を入れて,説明書をよく読んで・・・

小さな入れ物をよく振って,中の沈殿物をよく混ぜてから。(10gあれば、10年持つかな?)

ネジ山に一滴盛ります。中身は緑色のクリーム状ですが、指で触るとジャリジャリします。

ドライバーをまっすぐに立てて,強く押しつけながら回すと・・・

ネジが回りました。助かった。



1,テスターとバッテリーチェッカー
 皆さんからお預かりする電動おもちゃの、故障の原因究明に威力を発揮するのがテスターという小型の計器です。
 テスターの機能を使えば,どこが断線しているのか、電池はまだ使えるだろうかなど,初期の原因も究明することができますが,一台数千円すること,使いこなすには電気に関する基礎知識が必要であることなどから,それほど普及しているものではありません。

 ここでは,まだ使える電池と寿命の切れた電池を見分けられるバッテリーチェッカーを紹介します。

テスターには多目的に対応した複数の目盛り,プラスとマイナスの端子棒を持ち,回転スイッチで選択することで,電圧・電流・抵抗などを測定することができます。

このバッテリーチェッカーは、100均で300円で売られています。最近のモデルは単1~単5電池充電式ニッケル水素電池(1.2V)の電圧を測定できるようですが、9Vの角電池には対応していません。

電池の電圧によって針が振れ、振れ幅によってまだ使えるかどうか判断します。乾電池を無駄なく使え、古くなった乾電池がおこしやすい液漏れ,接点の腐食の防止に役立ちます。

このタイプのバッテリーチェッカーは、いろいろな100均で買うことができます。写真のように、電池をアームで挟むと、電池の電圧によってメーターの針が動きます。

この機種は、アルカリ電池とマンガン電池(単1~単5、1.5V)、006P(9V)に対応していますが、ボタン電池,充電式のニッケル水素電池(1.2V)は使えないようです。

新しい電池と弱まった電池を混在して使用することは、電池の能力を十分に引き出せません。電池の状態を知ることは有益なことです。チエッカーを購入される場合は説明をよく読んでください。